「揚げ物をする際は防衛省に許可を取り爆発物処理班を呼んでください」
メシマズの話をしよう。
【メシマズとは】
作る飯が不味いことを勝手にそう呼ぶ。作った人を指す場合もあれば、できた物を指す場合もある。飯以外も漏れなく不味い。対義語としてメシウマを設定。(他人の不幸で飯がうまいとは別の意で使う)
なぜ不味くなるのかはこっちが知りたい。知ってたら不味くならないように努力くらいしたい。不味くしようと思って作ったことなんて一度もない。
【なぜ作るのか】
それはほんと、出来心。今回こそうまくいくんじゃねえかという謎の期待が高まった時に作る。が、もちろん不味い。
あ、あの動画見たことある?物が並んでて、猫ちゃんは普通にすり抜けながら歩いてくんだけど、わんちゃんは飛び越えようとして物をはちゃめちゃにとっちらかしちゃうやつ。つまりあれ。メシウマな動画やレシピが流れてきて、えっうまそうしかも簡単そうこれならワイでも作れるやろって気にさせてくる。そういうこと。
【そして起こる負の連鎖】
そもそもセンスがなくてメシマズをやってるので、経験と努力でマズの部分を補わなければならないのに、当然不味いのでそう度々経験したいわけがない。金も時間も腹も無駄。圧倒的失敗経験。これがメシマズを負の連鎖に追いやる。センスがないのに加えて経験も努力も足らないままなので、時々やってくるチャレンジタイムでひたすら不味いものが出来上がる地獄の完成である。
ここまで分かっていてもメシマズは、メシマズ。
【メシマズの歴史を振り返る】
①なぁにがサクサクじゃボケェ
クッキーってサクッとしてるとか言うじゃん?あれは嘘だから。気をつけて。そのクッキー、ふわふわするよ。
お豆腐にもかわいらしい幼少期があって、お菓子作りに勤しんでた頃があるわけ。クッキー、まじ、ふわっふわに仕上がった。そうはならんやろ。わしかて思う。作ろうとしたのアイスボックスクッキー。三度中三度、百発百中のふわふわ。一回くらいサクサクせえや。
兄(メシウマ)曰く、「あのクッキー?作ってよ。俺は作れんのだ。食べたいけど、俺が作るとどうしてもサクサクになっちゃうからさ。あれお前にしか作れんやんね、あのふわふわの?クッキー?」だぁれがオリジナルレシピじゃばかたれーぃ😇😇😇😇😇😇😇?を付けるな、?を〜😇😇😇😇
その前にも色々作ってきたが、それらはまあ幼さ故の失敗で許されようとしていた。だが、否。ここにきて、豆腐屋は自身がメシマズ側の人間だと悟る。
②幸せなら手を叩こう
中学生くらいかなぁ。親が不在なので夕飯を自作せねばならず、ハンバーグにチャレンジ!イメトレだけは完璧だった。とりあえず形になったものを食べようとした。ら、箸入らんやんね。肉塊。これはもう肉塊やん。私の知ってるハンバーグではない。誰も知らん。なんやこれは。
そして知る、ハンバーグが切れるのは当たり前のことではない。とても幸せなことなのだ。そう、幸せというのは当たり前の中に、あなたのすぐそばにあるものなのです。ハンバーグに拍手。
以降、両親不在で夕飯をなんとかしなければならない時には兄の手伝いに徹し、おこぼれをもらう。
③時限式爆弾
クッキーって言うか、ぶるーどねーじゅ?みたいな名前の、なんかシャレオツで美味しそうなものに挑戦した高校のバレンタイン。だって手作り友チョコブームだったんだもーん。
部活で配ったら、すごいもうなんか、苦情が殺到した🤗🤗🤗🤗消費者庁もびっくり〜やだ〜🤗🤗🤗🤗🤗🤗へえ、みんなあれを食べたんやな🤗🤗🤗🤗🤗🤗私は食べてないで🤗🤗🤗🤗🤗🤗
「食べようとしたら爆発したんだけど💢💢💢」
えっそうなん???大変やったな、まあ私食べてないから知らんけど🤗🤗🤗🤗🤗🤗
ついに調理後に爆発するという、禁断の時限式の開発に成功した。いや目指してねえわ。
この辺りから、メシマズの中でもかなりのレベルだと自覚し、調理とは距離を置く。調理実習も食器担当。食材に触れてはならない。
そもそも、私が作るよりもうまいものがこの世に溢れてるのに、なんでわざわざ自分で、よりによって不味いものを処理する羽目になるとわかっていながら作らねばならんのじゃ。私だってうまいものを食べたい。
④ラザニアは湯煎式
だいぶ選抜してるものの、数々の名品を生んできた私に、「誕生日プレゼントは手作りラザニアがいい」という恐れ知らずのリクエストが入ったので、腕によりをかけて作ることになった。
部屋中が煙に包まれ、視界を失った。いわゆるホワイトアウトってやつだな。はー🤦♀️🤦♀️🤦♀️🤦♀️火災報知器なくてよかった〜〜🤦♀️🤦♀️🤦♀️🤦♀️🤦♀️🤦♀️🤦♀️🤦♀️🤦♀️はっぴーばーすでぇぇえええ〜🤦♀️🤦♀️🤦♀️🤦♀️🤦♀️🤦♀️🤦♀️
オーブントースターから出したはいいが、レシピの時間の半分も焼いてねえ。リクエスター(メシウマ)が「火の通りが心配ならフライパンで加熱したらえんやで」とアドバイスをして、アイスを買いに出かけた。デモ私賢イカラ分カル。このままフライパンに乗せて火つけたら、フライパンもアルミもえらいことになる。えっ水入れれば良くね?理科で習ったよ。水入ってたら紙も燃えない。それだわ。それしかねえ。帰ってきたリクエスターはアイスを取り落とすほど腹を抱えて爆笑した。世の中ではコレを湯煎と呼び、ラザニアの調理では使用しないと教わった。
⑤まずはこちらをご覧ください
みんな大好き餃子やで。王将に謝った方がええで。
⑥助けて
もはやコンロ直火焼き状態でも写真を撮る余裕がある。ありとあらゆる失敗をするとちょっとやそっとじゃ慌てない。ここから更に友達にLINEしてツイートしてから、調理?掃除?に戻った。でも本当に恐ろしいのはネタのために失敗したわけではないということ。二度とフライパンを振るな。
⑦お待たせしました、最高傑作
「ボンド」「産業廃棄物」「カビた豆腐」「グロ画像」「コンクリート」
すごい言われようだな、待て待てよく見ろ。これは、「抹茶ミルクプリン」だ。いいな?リピートアフターミー、ディスイズマッチャミルクプリン。
母が口に入れた瞬間吐き出し、父は顔を背けて話題にすることすらなかったという伝説の、メシマズ最高傑作(暫定)。
たぶんあれだな、これはあれだ。ゼラチンを寒天にしたのがいけなかった。ツイッターですっげえ叱られた。何度か上げてるのに、上げるたびに一定数のファボくるやんね。
でもメシマズは思う。ゼラチンも寒天も固めるのが仕事じゃん。代理くらいできるやん。だってゼラチン売ってなかったんだもん。私はむしろ被害者。
【今後の展望】
歴史はかなり抜粋してお送りしたが、実際はキリがない。でもメシマズだって時々は食べ物を作れるし、作れるようになりたいと思う。
ネタやわざとと思うかもしれないが、こちらは真剣勝負をしている。米を洗剤で洗うとか、砂糖と塩を間違えるとか、レタスとキャベツの区別がつかないとか、セイロをそのままコンロに乗せるとか、そういうぶっ飛んだことは一切してない。何度も言うが、私だってうまいものを食べたいのだ。なのに出来上がるのもは大抵ぶっ飛んでいるのだ。
お豆腐の場合、「味付け」と「加熱」が壊滅的というのが最新の見解。ので、ホットケーキ、カレー、鍋はできる。ホットケーキミックスやカレールーや鍋の素があるし、調理は基本的に放っておけば良いからだ。天才だな。
更に切るや剥くはできる。包丁は工作と同じだ。ある程度の魚だったら捌ける。ただし、ピーラーでジャガイモは剥けない。私の皮が剥けることになる。
まだまだ研究段階やけど、まあ伸び代だけはあるってことや。ドンマイドンマイ。最近寒いから、ほぉんだんしょこら、作ろうぜ。
お豆腐が揚げ物を作る日は遠い。